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高輝度青色LED発売30周年

2023年11月30日

LEDの持つ無限の可能性


1996年の白色LEDの誕生以後、高輝度LEDの市場は、当社が青色LEDを発売した当初に期待していた用途以外にも広がりを見せるようになり、LEDの発光効率が向上するにつれて、使える場面が増え続け、今日に至っています。

例として、

  • 自動車
    スピードメーターなどのインストルメンタルパネルの内照灯やエアコンなどのスイッチのような内装用から、ターンインジケーターやDRL、ヘッドライトなどの外装用への拡大。
  • 液晶ディスプレイ用のバックライト
    携帯電話やデジタルカメラ向けの小型液晶向けバックライトから、ノートパソコン、タブレット、果ては大型テレビなどへの拡大。
  • 照明
    掌に収まるような懐中電灯や街中看板の内照灯等から、蛍光灯を置き換えることができる一般照明やスタジアムなどで使われる超高出力照明への拡大。

等が挙げられます。

これらに共通して言えることは、電球や蛍光灯、CCFL(冷陰極管 蛍光灯ランプの一種)など既存の光源が占めていた市場を、LEDの発光効率の良さや、発光部のサイズの小ささ、応答速度の速さなどを生かして置き換え、従来のものとは比較にならない低消費電力・小型・軽量・高機能性を実現したことです。例えば2000年前後に実現した携帯電話のインターネットやカメラとの融合、それに続くスマートフォンの登場が、青色LED、白色LEDの誕生無しには実現していなかったであろうことは容易に想像いただけるかと思います。

青色LED発売開始から30年経った現在では、LEDの用途は単に光って照らすといったものにとどまらず、更なる進化、発展を続けています。例えば、運転手や対向車により高い安全性をもたらすHDマトリクスヘッドライト、映像のコントラストや色を際立たせるMiniLEDバックライト、照明下の人々の健康の向上を目指す人間中心照明など、光の持つ機能・効能に焦点を当てた製品が次々に上市されております。LEDは、まだまだ無限の可能性を持っています。今年、発売から30周年という節目を迎えた中、青色LEDのパイオニアとして、企業理念である「Ever Researching for a Brighter World」を胸に、当社は今後も光の持つ可能性を追求していく所存です。

図1:HDマトリクスヘッドライト向けライトエンジン

図2:MiniLEDを応用しさらに進化させた液晶バックライトモジュール
Nichia Light Cluster™ Type V

図3:人間の概日リズムを整える照明用LED
Dynasolis™