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殺菌用UV-C LED

紫外線を用いた殺菌用途LED

紫外線による殺菌とは

細菌は細胞分裂によって増殖するのに対し、ウイルスは生物の細胞に入り込み、宿主の機能を利用して増殖することが知られています。
いずれの場合においても、増殖は細菌やウイルスが持つDNAやRNAの情報を元にして行われますが、紫外線照射はそのDNAやRNAの構造を変形させる効果があります。
DNAやRNAの構造に異常が生じると、代謝能力や増殖能力に支障をきたすため、細菌やウイルスの不活化が可能になるというメカニズムです。

動画1 紫外線による不活化のメカニズム

紫外線(UV)LEDを用いた殺菌を検討する際に必要なこと

UV LEDを用いて十分な殺菌効果を得るためには、波長ごとの殺菌効果、UV LEDの特性や寿命など、考慮すべきことがいくつかあります。
それらを正しく理解し評価することで、最大の殺菌効果を得ることができます。
以下では、3つのポイントに絞って、順番に説明していきます。

動画2 紫外線 (UV) LEDを用いた殺菌を検討する際に必要なこと

(1) 適切なUV感受性データを参照する

対象の微生物について必要な積算光量を知る必要があるが、現状は研究毎にUV照射条件が異なる結果、データが異なり混乱が生じています。当社が開発したUV LED照射装置はUV照射条件を統一し、精度の高いUV感受性評価を可能にしました。(照射装置の詳細は以下リンク先のプレスリリースをご参照下さい。)

図1:紫外線(UV)感受性評価のためのLED照射装置の開発

紫外線(UV)感受性評価のためのLED照射装置の開発 | プレスリリース | ニュースルーム | 日亜化学工業株式会社 (nichia.co.jp)

徳島大学との共同研究講座「微生物防除研究分野(高橋章教授)」でこの装置を用いて各微生物に波長毎のUV感受性評価を行った結果、全体として、一般的に用いられている殺菌効果曲線JIS Z8811-1968よりも長波寄りにピークがあることがわかりました。またUV感受性は微生物毎に異なっており、殺菌対象に応じたデータを参照することの重要性が確認できました。

図2:各微生物に対する波長毎のUV感受性評価結果(徳島大学との共同研究講座にて)

(2) LEDの出力も考慮した殺菌パワーを指標にする

実際の殺菌効果は、波長別の殺菌効果だけではなく、波長別のLEDの出力※2を掛け合わせることで決まります。それは「殺菌パワー」と呼ばれ、殺菌効果を示す最も重要な指標です。
UV-C LEDは短波長になるほど出力※1が得にくい特性があるため、全体的に殺菌パワーは波長別殺菌効果よりも長波寄りでピークになっていることが分かります。

図3:殺菌パワーの算出方法

(3) LED寿命(出力維持率)を考慮する

LEDには寿命があり、使用時間とともに出力は下がっていきます。そのため、波長別殺菌効果にLEDの出力を掛け合わせた殺菌パワーは使用時間とともに下がっていくことになります。LEDの寿命は波長によって異なりますが、特にUV-C LEDは短波長ほど出力※1の低下率は大きくなります。当社はLED寿命(出力維持率)を考慮し、280nmが最適だと考えています。対象製品の一覧は、以下からご確認ください。

動画3:時間経過と共に低下する殺菌パワー


出力※1:放射束のこと。単位時間当たりのエネルギーの強さ。
波長別のLEDの出力※2:2023年7月時点、自社調べ、市場で手に入れられる一般のLEDの出力を元にモデル化

対象製品

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