ナトリウム灯色LED
高圧ナトリウム灯(HPS)の真の代替技術として
サステナブル社会の実現に貢献
製品の特徴
ナトリウム灯色LEDとは
ナトリウム灯⾊LEDとは、世界中で道路照明や屋外照明に今でも最も多く使われている高圧ナトリウム灯(High Pressure Sodium Lamp:以下「HPS」)の発光⾊を忠実に再現したLEDです。水銀を含有するHPSの真の代替技術として、水銀フリー社会やカーボンニュートラルの実現に貢献します。
道路照明や屋外照明においては、高効率や長寿命などの理由から過去10年ほどの間にLED化が進められていますが、住宅街や街の中⼼部などでは、⼀般的な⾼⾊温度の⻘⽩い発光色のLEDでは慣れ親しんだ景観や雰囲気が変わってしまうことを懸念しLEDへの切り替えが進まないケースが発生しています(図1)。極端なケースでは、一度LEDに切り替えた街路灯を、住民の運動によって元のHPSに戻すようなことも起こっています。それに加えて、眩しすぎが原因の睡眠障害、夜空が薄明るく星空が⾒えない、ヒトだけではなく昆⾍など⽣態系への悪影響という、いわゆる「光害」も注目されるようになり、屋外照明におけるHPSのLED化の動きは一進一退の状況に陥っています。当社のナトリウム灯⾊LEDは、この状況を⼤きく変えることが可能です。HPSと同じ発光⾊で景観や雰囲気も変えず、⼀般的な⾼⾊温度のLEDで⾒られるような「光害」の発⽣も抑制されるため、今まで発光⾊が原因でLEDへの切り替えが進まなかったケースにおいてもLED化がスムーズに進むことが期待されます(図2)。
図1 高圧ナトリウム灯と高色温度LEDが入り混じったイメージ図
図2 高圧ナトリウム灯(HPS)とナトリウム灯色LEDの色味比較
HPSからナトリウム灯色LEDへの置き換えは、脱水銀を始めとする数々のメリットを地域社会にもたらします。以下では、これらのメリットについてご説明いたします。
HPSからナトリウム灯色LEDへの切り替えで得られるメリット
水銀フリー
LEDには、当然のことながら⽔銀が含まれていません。水銀についての規制は年々厳しくなっていますが、⼤半の蛍光灯が規制対象となった今、⽔銀を含有する⼀般照明⽤光源で⽔銀規制の代表的なものである欧州のRoHS指令の適⽤除外となっている最⼤のものは、街路灯⽤途および園芸⽤途のHPSです。代替技術が存在しないとされていることが適⽤除外の理由ですが、当社は、このナトリウム灯⾊LEDがその代替技術として認知され脱⽔銀の動きを⼀気に進める存在になり得ると期待しています。
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即時点灯・調光が可能でスマートライティング化に対応(動画あり)
以下の動画でもお分かりいただけるように、LEDとHPSでは点灯に要する時間に⼤きな差があります。LEDは即時On/Offが可能ですが、HPSはフル点灯するまでに5分以上、⼀度消灯してからの再点灯の場合には30分近い時間を要します。再点灯に時間のかかるHPSでは不可能ですが、即時On/Offが可能なLEDはセンサーと連動させることで⼈や⾞が通るときだけ点灯させる、調光するなども実現可能です。このことにより、光源そのものの効率の良さに加えて更なる電⼒消費の削減が可能となり、カーボンニュートラルの実現にも貢献できるも のと期待しています。例えば、夜間に人通りの少ない街路灯をスマートライティング化し、人や車が通るタイミングで10分間点灯するとした場合、1時間に1人通ると仮定すると、消費電力は1/6になることがわかります。
動画 ナトリウム灯色LED(NVSW219F-V2/1800K/Ra≥70)と高圧ナトリウム灯(HPS)の点灯に要する時間比較
高効率
ナトリウム灯色LEDは、一般に効率が高いとされているHPSを上回る発光効率で電力消費の削減に寄与します。上記の即時点灯・調光による更なる削減と合わせてカーボンニュートラルの実現に大きく貢献することが期待されます。
長寿命
このLEDを搭載した照明器具は、HPSの2.5倍の長寿命を持つため、危険を伴う高所での交換作業の頻度を低減できます。
高い演色性による快適で安全な照明空間の実現
ナトリウム灯色LEDは、HPSと同じ色味でありながら、Ra≥70という高い演色性により、HPSで照らされた街のノスタルジックな雰囲気を維持しつつ、色の識別を容易にします。このことは、色の識別がほとんどできないHPSに比べて、カラフルで心が浮き立つような快適な照明空間、防犯効果が高く安全な照明空間を実現します。
図3 演色性比較 (イメージ図)
HPSと同じ発光色による光害抑制
HPSの発光色を再現したナトリウム灯色LEDは、高色温度で白っぽい発光色のLEDで問題になっている、光害を抑制します。
光害とは、人工照明の不適切な設計・設置や配慮に欠けた使用・運用が、動植物の生育や人間の諸活動に及ぼす影響のことで、特に高色温度で白っぽい光源で指摘されています。例えば、動物や昆虫は光に引き寄せられたり、光を嫌って逃げていく性質があり、ワタリドリが眩しすぎるビルに衝突してしまう、白い光がある砂浜を産卵時期のウミガメは嫌うため繁殖能力が下がるなど深刻な問題があります。また、ヒトへの影響としては、住宅街の街路灯が明るすぎることから睡眠障害が起こったり、夜中点灯している照明が多く、夜空が薄明るくなることで星空が見えなくなるなどがあげられ、植物についても、明るく照らされすぎると、夜を認識できなくなり、成長が止まってしまうことや、害虫を集めてしまい農作物に影響が及ぶなどの例があります。
HPSとナトリウム灯色LEDの特性比較
1: Ra値は当社測定
2: 高圧ナトリウム灯(HPS)の効率、定格寿命はカタログ値
LEDの効率、定格寿命はNVSW219F-V2に基づいています。