「持続可能な社会に向けたLEDサプライヤーとしての取り組み――sustainabLED™」
2026年6月29日
環境配慮と産業効率化に向けて ― 脱水銀社会の実現に貢献するUV LED ―
sustainabLED™とは、当社のLEDによる環境負荷低減への取り組みを具現化し、より多くの方に知っていただくことを目的とした活動です。これまでのブログでは、資源循環や省材料など「量を減らす」取り組みをご紹介してきました。今回は、脱水銀社会の実現に貢献するLEDに焦点を当てます。有害物質を使わず「性能を改善する」ことで、さらなる環境負荷低減を目指します。
超高圧水銀ランプの置換に向けて
蛍光灯から、LEDへ。これは世界中で起こっている変化です。日本でも、蛍光灯の製造・販売が2027年までに禁止されます。水銀を含む蛍光灯から、水銀を含まないLEDへと置き換えることで、水銀レスに加え、長寿命化や即時点灯、省エネルギーといったメリットが広がっています。
主に産業の世界では、この蛍光灯と同じ原理を使って紫外線を放射する「紫外線水銀ランプ」が使われています。このランプも蛍光灯同様、紫外線を出力する「UV(紫外線)LED」への置き換えが始まっています。今回は、紫外線水銀ランプの中でも「超高圧水銀ランプ」のUV LED化について、ご紹介いたします。
超高圧水銀ランプは、露光用途で不可欠な光源として使用されています。特に半導体露光分野では、半導体ウェハに精密な回路設計を行うため、高出力の紫外線が必要になります。そこで使われているのが超高圧水銀ランプです。超高圧水銀ランプはその名のとおり、ランプの中が"超"高圧で制御された状態で放電が強く凝縮されます。そこから生み出される紫外線は、小さな発光サイズで、非常に高い光出力を得ることができます。この光を実現できる他の技術が無かったことから、RoHS指令においても、紫外線領域を利用した露光分野では代替技術がまだ確立していないとされ、少なくとも2027年2月24日までは適用除外となり、超高圧水銀ランプの製造・販売が認められています。
半導体露光ではi線と呼ばれる365nmの紫外線を使用します。超高圧水銀ランプは幅広いスペクトルの光を放射しますが、365nm以外の紫外線はフィルターでカットされ、使われることなくムダな出力となってしまっています。
一方、UV LEDは、水銀を含まないだけでなく、単一のピーク波長の紫外線を出力できるため、無駄が無く効率の良い代替技術として、注目されています。しかしながら、その出力の差から、超高圧水銀ランプの代替と判断されることなく、超高圧水銀ランプは製造・販売され続けています。
超高圧水銀ランプがUV LED化できれば、他の紫外線水銀ランプもまたUV LED化できるだろう、とも言われています。私たちの生活や環境に与える影響は非常に大きくなると考え、当社では365nmLEDの技術開発に努めています。
技術の進歩:脱水銀社会の実現に貢献するLED
これまで代替技術がないとされていました超高圧水銀ランプですが、当社の技術により、すでにその課題を克服しつつあります。当社のUV-A LEDのラインアップの中で最高出力を誇るNWSU333シリーズは、6.8mm×6.8mmの小さいパッケージから高出力の紫外線を放射できます。当社の他UV-A LEDと比べても、約3倍以上の光出力(それぞれの定格電流投入時)を実現しています。LEDを狭い間隔で敷き詰め、光学系の技術を駆使して紫外線を集めることで、超高圧水銀ランプの点光源と同等の性能が発揮できるような研究開発が進んでいます。
LED化によるメリット
LED化には多くのメリットがあり、その代表的なものを以下にご紹介します。これらのメリットは、環境負荷の低減にとどまらず、生産性や安全性の向上にも寄与します。
環境・安全性
- 脱水銀化:有害物質の排除・作業員の水銀暴露リスクなし
- 廃棄の簡素化:特別処理不要
- 廃棄量の削減:長寿命化による交換頻度の低減
エネルギー効率・コスト
- 省エネ:水銀ランプの全方位放射・不要スペクトル発光による電力ロスを削減
- 低コスト化:長寿命化による交換頻度の低減
生産性・運用性
- 待機時間の削減:即時点灯
- 制御性向上:出力制御が容易(シャッター不要)
- 保守負担の軽減:長寿命化により交換頻度を低減し、保守作業や装置停止を削減
設計・装置面
- 電源装置の簡素化:電源投入後すぐに紫外線が安定して出力されるため、安定器が不要
- 小型化:装置設計の自由度向上
こうして並べてみると、UV-LEDは、環境負荷低減と産業効率化を両立する革新的なソリューションであることがわかります。
まとめ
当社は、地球環境に配慮した製品づくりに今後も力を入れてまいります。これからも持続可能な未来に向けて、一歩ずつ取り組みを進めていきます。