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HCL(人間中心照明)について

2024年8月28日

空間を清潔で快適にするサポートとしての照明


HCL(人間中心照明)とは、「朝から昼、そして夕方と、光の色を変えて人々をリラックスさせ、夜も良く眠れる効果を狙った調色照明である」という考え方がありますが、HCLとは決してそれだけではありません。調色照明を超えた体に働きかける調色・調スペクトル照明や、周りの世界がキレイにくっきりと見えることで心地よい暮らしをサポートする照明などをご紹介してきましたが、最終回では、少しおもむきの異なる「除菌照明」についてご紹介いたします。

「除菌照明」というと、強力な紫外線で細菌やバクテリアをやっつけるような製品をイメージされるかも知れませんが、それはUV-Cと呼ばれる短い波長の紫外線がもつ「殺菌効果*1」を利用した装置です。その効果を利用して空気や水を「殺菌*2」する装置向けに、当社ではUV-C LEDを製品化しご好評いただいていますが、今回ご紹介する「除菌照明」はそれとは異なり、見た目は普通の白色照明のまま、その周りの空間が徐々に「除菌」され清潔になっているというものです。UV-C LEDを利用した製品のように強力な殺菌効果は望めませんが、人々がその下で快適に生活できる白色照明でありながら一定の除菌効果も得られるという装置です。人々の快適な暮らしに貢献するという視点から、当社の広義のHCLの定義では、この除菌照明もHCLのひとつです。

当社の除菌照明用LEDですが、通常の白色LEDに用いられる450nmの青色発光のチップよりも可視光の中で紫外線に近い405nmの紫色発光のチップと、そのチップの光で励起される特徴を持つ蛍光体を選んで組み合せることにより、そのまま照明用途に使用できる自然な白色を実現しています。人体に悪影響を及ぼさない405nmの光によって、食中毒等の原因となる細菌の不活化を可能にしており、特に公共の場所や高い衛生レベルが求められる場所に適しています。当社の除菌照明用LEDは、「空間を清潔で快適なものに」というユニークな発想から、少しずつではありますが、活躍の場を広げています。

4回に亘って、当社が考える人間中心照明についてご紹介してきましたが、当社はこのように、キレイに見える、鮮やかに見えるという「光の質」だけでなく、人の生体のホルモン生成の仕組みに影響を与えたり除菌をしたりという「光の機能」まで視野を広げ、真の「人間中心照明」と、人生をより豊かで快適なものにする光とLEDの実現に向けて、日々研究開発に邁進しています。

除菌照明用LEDの詳しい情報はこちら




  • *1殺菌効果とは、特定の物質やプロセスが細菌やウイルス、カビなどの微生物を死滅させる、もしくはその増殖を抑制する力を指します。
  • *2殺菌・除菌や抗菌という言葉は使い分けの条件があります。また、ウイルスは菌類とは異なるため不活化と言いますが、このブログではそれらを総じて「殺菌」という語で記述しています。