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高輝度青色LED発売30周年

2023年4月17日

高輝度青色LED発売30周年を迎えるにあたり


「青色LED、明るさ100倍」
1993年11月30日、このような見出しが日経産業新聞の1面を飾りました。画期的製品の発売を発表したのは日亜化学工業という徳島県の会社。
日亜化学工業は、蛍光灯やブラウン管テレビに使われる蛍光体のメーカーとして当時国内最大手。業界での知名度は高かったものの、世間一般によく知られた会社ではなく、当時赤色やオレンジ色、黄緑色、非可視光の赤外が主流のLEDの世界では、一部材料を製造・販売する会社として知られている程度の存在でした。そのようなLEDとは関係が薄いと思われた会社が、一部では20世紀中には量産不可能とも考えられていた、実用に足る明るさを持った高輝度青色LEDを発売したことは、世間に驚きを持って迎えられました。

今年2023年、当社、日亜化学工業が高輝度青色LEDを発売開始してから30年という節目を迎えます。今日では様々な場所で用いられている高輝度青色LEDですが、その技術を用いて開発された緑色LED、また、高輝度青色LEDに、当社が長年にわたって他社に真似のできない技術を培ってきた蛍光体を組み合わせることによって実現された白色LEDと共に、30年の間に大きな進化を遂げ、大型映像表示装置、交通信号、カラースキャナー用光源から自動車の内装用、外装用光源、カラー液晶用バックライト光源、一般照明向け光源とその用途を拡大してまいりました。
更には、通常の白色LEDでは実現できないコントラストの高い映像を実現する液晶バックライト向けminiLEDや、ハイビームでも対向車や歩行者などに不快な思いをさせず、より安全な運転環境を実現するマトリクス型ヘッドライト向け光源など、今なおその進化と用途拡大を続けている高輝度青色LEDですが、発売30周年という節目を迎えるにあたり、その歩んだ歴史を、当時のエピソードを交えつつ、新聞発表が行われた11月まで月に一度という形で振り返っていきたいと考えております。

当時開発されたLEDを使って作成されたLEDサインボードとサンプル